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「お茶どうぞ」
会議室にこもり、新しい製品の仕様書を確認していた僕は 声の主に「ありがとう」とだけ言った。 その場から立ち去る気配がない声の主は彼女。 イテテテ、視線が「馬鹿タレ顔上げやがれ!」と言っていた。 3時の休憩時間に、彼女がコーヒーを持ってきてくれたらしい。 僕の職場は庶務的な仕事を担当する人がいないので、お客様にお出しする飲み物の 準備(自分用も含め)からなにから、基本的に担当者が全て行うことになっている。 だからこういうシチュエーションは珍しいし、仲良しなのがバレバレだ。 そういうこともあって、彼女もすぐに立ち去るものと思っていた。 恐る恐る顔を上げると、ジーっと僕を見つめる彼女がいた。 「やっと見た」 「ごめんごめん、手が離せなくて・・」 「キスして」 ・・・ 「ありがとう」 ニコニコしながら、彼女は会議室を出て行った。 頑張っているご褒美をあげたのか、それとももらったのか・・ いや、それにしても強烈な視線だったな。w |
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