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彼女は教えてくれた、何も変えられなくても始められる恋があることを。

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ふぅ、ようやく明日からの出張準備完了。
営業の人間と共に、お客様候補地めぐりに行ってきます。
「はい、奏くん、責任持って売って来たまえ♪」
「部長、これは罰ゲームか何かでしょうか?」
「まぁ、そんなとこだ」
「人件費考えてます?」
「元とれるように頑張ってきてください」
とまぁ、こんな感じで罰ゲームの旅にでることになりました。
開発費を頂いたクライアントには内緒で、よそにPRするのはどうかと
思うが・・
一生懸命、養ってくれている人に内緒で、奥さんと・・(以下、略
・・くらい罪悪感を感じるよ。


午後3時の休憩時間。
「奏、出張準備、何か足りないものあったら言って」
「出張中、自己啓発に必要な涙の写真が欲しい」

「まぁお客様、美脚でよろしかったでしょうか?」
「美乳と笑顔もお願いします」
「お客様、あいにく美乳は扱っておりませんが・・」
「では、微乳でお願いします」
「はい、承知いたしました」
 ベシッ!

「それからお客様、淋しすぎて笑顔も、お取り寄せとなりますが・・」
「それでは夕方、キスをお願いしたいのですが、そちらは?」
「では、そのように手配いたします」

夕暮れの公園。
「淋しいな・・一緒に行きたいなぁ」
「涙に逢えないのが最大の罰ゲームだな」
「もう一回、キスして」

 。。。
「行ってきます」
「はい。 早く帰ってきて下さい」



明日から、一週間、出張により不在となります。
↓こちらクリクリしてお待ちいただきますようお願いします。(^^;
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テーマ:不倫 - ジャンル:恋愛

「貴方は、アタシの知る限り一番の嘘つき」
・・何だ?突然。

「ごめんね」
「どうかした?」

PMSで荒れてるのかと思ったら、どうやらそうではないらしい。

「ふと、思ったの・・
 正直で優しい奏、そういう所が大好きなのに
 アタシは貴方に嘘ばかり言わせてるのよね・・って。」


誰かに嘘をつかなければ、時間を共有することなどできないふたり。
僕も彼女と同じように思うことがある。

「そうだね・・」
「そうよね・・」

お互い様だよ。ということで、話は終わったのだけれど。

彼女に嘘をつくことだけは、きっとこれからもないだろう。
それが、どんなに彼女を傷つけるとしても。

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とても好きだった夢と魔法の王国。
子供ができて、自分が魔法をかけてあげなければならない立場になり
僕にかけられた魔法は解け、空も飛べなくなった。

もう二度と魔法にかかることはないと思っていた。
彼女に出逢うまでは。

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それぞれの道を歩いてきたふたり。
すれ違うだけのはずだったふたりが交差した。
いつか離れるだけと思っていた交差点。
ふと気が付くと同じ道を歩いていた。
戸惑いながらも確実に。
携帯電話の受信メールを全削除する。
その殆どが彼女とのやりとりなので、毎回、切なくなる。
その中で1通だけ、削除されない保護メールがある。
2年前の3月、初めて彼女と待ち合わせをしたときのもの。
休日の午後、彼女は買い物を理由に外出して僕に逢いに来てくれた。

彼女が家を出るときにくれたメール。
「これから家を出ます。年甲斐もなくドキドキしています。
会社に行くときのように、きちんと化粧をしたり綺麗な格好をして
逢いに行く事ができないから、とても恥ずかしいです。」


そんな彼女が目の前に現れたとき、とても嬉しかったのを覚えている。
会社では眼鏡をかけて髪を後で束ねている彼女。
その日は普段よりも薄化粧で、髪をおろしていた。
Gパンにパーカーを着た普段着、それでも眼鏡はせずに、長時間着け
ると目が腫るから、滅多につけないというコンタクトレンズをはめて
くれていた。

普通の初デートなら、精一杯オシャレをして逢いに行けるのに。。
スキとか愛しているとか、その後、彼女は何度も書いてくれたけど
このときのメールが今でも一番、彼女が愛しいと思えたメールです。

「飾らない涙さん、普段より素敵ですよ」
「お世辞でも嬉しいな」
「本当ですよ」

とても照れくさそうにしていた彼女。
ふたりの恋の幕開け。

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隣の席で、つま先を気にしている様子の彼女。
どうやら、ストッキングが伝線したらしい。

「伝線しちゃった・・」
「トドメさしてあげようか?」
「奏さん、お仕事中ですよ♪」
「涙の脚、いつ見てもエロいね」
「引き裂く想像してるでしょ?」
「いや、ちょっとしか考えて無いよ」
「衛上、良くないので替えてこよっ」
「勿体無い」
「奏、目がスケベな親父になってるよ」

パンストの手触りって物凄く気持ちいい。(*^^*
残念ながら、同僚達のいる前で触ることはできません。。残念。
ストッキングって破ろうとすると、意外に丈夫だったり。まぁいいか。

パンスト履き替えを終了した彼女が戻ってくる。
「あのさぁ・・ 引き裂かれるの想像したらHしたくなった」
「涙、目がスケベな人妻になってるよ」
「奏のせいだわ」

・・エロが伝染した午後3時でした。

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バチッ!

週明け、彼女のお尻を触りながら、真っ赤な口紅の彼女に叩かれた音!
・・では、ありません。
罰があたったらしく、直後にお客さんから呼び出され、そのまま出張。
明けて、今日、やっと解放されて帰宅したところです。

先程の効果音は、デバッグ中にプリント基板の電源をショートさせて
しまった音でした。(泣
予め変えの基板を持参したお陰で、事なきを得たのですが、危ないと
ころでした。。どこへ消えたかマイコンのリード。あはは。

昨夜、宿泊先からのメール。
「ショートさせてリード消えたよ」
「あらまぁ、らしくないわね」
「今朝の唇を想い出だしたからだな・・」
「じゃぁ、しょうがないね」
「だね」

「変えは大丈夫なの?」
「あぁ、基板不良もありえると思って持ってきてたから大丈夫」

「違う違う、パンツの話よ♪」
「ぷぷぷ、コンビニパンツ着用済み」
「上は?」
「ノーブラ」

「元気そうで安心したわ」
「ありがとう」

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憂鬱な月曜日:ジン + ブルーキュラソー + ライムジュース。
まぁ、それはどうでもいいのですが。

会社に彼女がいるお陰で、月曜日は全く憂鬱ではなくなったなと思う。
休み明け、彼女の「おはよう」と笑顔を見るとホッとする。
ついつい、お尻なんか触ってみたり、無性にキスしたかったり。

お休みメール前の通信記録:
「明日、朝一に打ち合わせしよう」
「ふふふ、何するの?」
「あ、いや、シミュレーション結果のさ・・」
「口紅はピンクでいい?」
「そうじゃなくてさ・・」
「いいじゃない隠さなくても♪」
「まだ結果聞いてなかったからさ・・」
「キスしたいんでしょ?」
 ・・・
この人がベッドではMなのだから、わからないものです。(笑

「赤」
「はい」
やっぱMかも。

今週は週明け火曜ですので、お間違いのないように。

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台風のニュースを見ていたという彼女からのメール。
「台風、凄いね・・ 亡くなった人もいるんだね」
「だね、凄い勢力だ」
「気を付けないとね・・」
「うん」

・・あれ?今日は落ちが無い。

「ふたりは今、暴風域?」
・・きた。ベタだけど(笑

「いや、台風一過の快晴って感じじゃない? 辛いときもあるけど」
「確かに、たまに小さいのはあるけど、今は落ち着いてるか」
・・互いに嫉妬に苦しんだこともあったんですよ。これでも。

「そうだね」
「でもさぁ、精力は弱まるところを知らないよね」
「涙のね」
「アタシのは性欲、精力は奏でしょ!?」
「認めたね」
「。。。」

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決して未来を想像することなんて無いと思っていた。
『何も変えられなくても・・』 それがふたりの恋。

出逢った頃とは、どこかしら違う。
少しずつ、未来へ向かっているような気がするのは何故だろう。
全くと言っていいほど変わらない生活。
その中の僅かな自由時間を、彼女と過しているだけ。
ホンの少しだけ夢を見て、また現実に戻っていく。

それでも・・
彼女とは、他の誰よりも同じ時間を共に生きている気がする。

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家族の話、特に子供の話は、ふたりの間に大きな垣根があるように
思えるのが普通じゃないのかな・・と思うんだけど、彼女はとても
楽しそうに聞いてくれる。実は僕も家族の話を聞くのが好き。

「そう言えばさ・・最近、子供の話してくれないね」
「そうかな?」
「子供の話をするときの、奏の笑顔とってもスキなの」

お互いに子供を持つ親(失格だろうけど・・)として話をしているとき
分かり合える事が多いな・・と感じる。

「何かネタないの?」
「今すぐかよ、せっかちだな」
「話せ」

・・・
改まって聞かれると、なかなか見つからない。

「読み間違いの話」
「わーい」

フルーツヨーグルトを食べていた幼稚園児の娘。
カタカナ読めるぞ自慢。
「ビタミンってどれ?」
「う~ん、みかんかな?」
「じゃぁ、アレルギーは?」
「??? あ!」
「それ、食べない方が良いぞ」



「ふふふ、エネルギーね」
「正解」

ちょっと緊張した笑顔。
今日は、彼女の笑顔の勝ち。

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半袖のシャツでは、少し肌寒い感じの帰路でした。
彼女と出逢って3度目の秋がやってくる。

「今日は涼しいね」
「寒いくらいだよ」
「ねぇ奏、アタシのことスキ?」
「ん?」
スキ?


「スキだよ」
「知ってる」

飽きのこないバカップル。

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ぼーっと月を眺めながら、彼女のことを想う。
なぁ、僕らはあとどれくらい、恋人でいられるのだろう。
助手席で露になった彼女の白い肩、お前、見てたよな。

彼女とのことを、いつも見守っている仲間がいる。
夜空の星達と、いつも穏やかに照らしてくれる月。
月明かり、忍ぶ恋には丁度良い。

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ふたりのイニシャル・・本名だとどちらも『
ちなみに血液型も同じ。(勿論、Hではない)

食べ物の好みも、好きな音楽の系統も似ている。
性格もよく似ていると、周りに言われる。
それで惹かれあうのかな・・と、そんな話をしていた。

「でも、違うところあるよね?」

「どんなこと?」

「磁石は別極性じゃないとくっつかないでしょ?」

「あぁ・・なるほど♪」

実はMな彼女なのでした。
1だの0だの、バイナリーだのヘキサだのという仕事をしていると
たまにおかしくなる人もいるようです。

「奏='1',涙='1'
 and でも、or でも '1'だよね・・・アタシ達。」


回路のシミュレーションパターンを作りながら、ボソボソ言ってる彼女。

「加算すれば?」

「そしたら"10"でしょ・・2じゃなくて3にしたいの
 ふたり並びたいのよ」

「どーしても?」
「どーしても。2人で進むから2進数と言いたい!」

「無理!」
・・うっく。 そんなマジな目で睨むなよ。

「奏を一旦、突き飛ばして or すれば良いんだけどね~♪」
「涙の力が強くて、行き過ぎるから、"101"でしょ!」

ダメだ、完全にアホだ。
こんなカップル、そうはいないと思う。

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