2ntブログ

彼女は教えてくれた、何も変えられなくても始められる恋があることを。

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始業ギリギリに会社に滑り込んできた彼女。
「あ!涙さん、風邪いかがですか?!」
・・・っく、同僚に先を越され、不甲斐ない奏くん。

「ご心配おかけしました、大丈夫です♪」
やつれた笑顔が、ちょっと痛々しい感じで可哀想だった。

「大丈夫ですか?無理しないでくださいね」
「うん、ありがとうございます」

朝礼後、会議室に連れ込むが恵美ちゃんが心配そうに側から離れない。
しばらく、ふたりのやりとりをボーっと眺めていた。
普段なら邪魔!と思うところだが、信頼する先輩の存在はやはり大きい
のでしょう、後輩も凄く嬉しそうだったので許してあげることにした。

「奏。。久しぶりだね」
「ホントだね、凄く嬉しいよ」
お互い、不思議な力に引き寄せられてキスをする。
ん???

「まだ熱あるだろ?」
「恋の熱よ・・」
「まだ言うか、恋の熱は熱くなるとこ違うでしょ?!」
「ごめん、今朝、37.2度・・」

抱きしめると、やはりどこかしら熱っぽい彼女。
偽打ち合わせを2時間ほど・・ キス数え切れないほど。
ほら、うつすならやってみやがれ!(苦笑

・・・

久しぶりのキスが効いたのか、定時頃にはすっかり元気な涙さん。
「効いたみたいです、先生」
「今日は特別、特効薬です」
「ありがとうございます」

気のせいか、頭が重い先生です。
おやすみなさい。

テーマ:不倫 - ジャンル:恋愛

ようやく彼女の熱も下がったようで、明日は久しぶりに逢えそうです。

「恋の熱下がった?」
「それは上がりっぱなしよ!
 でも、風邪の熱は下がりました
 心配かけてごめんね。
 凄く幸せ嬉しかった、ありがとう♪」

「いいえ、どういたしまして。
 でも、容態は真面目に答えろ」

「あ・・ごめんなさい」
「まぁ、今回は勘弁しといてやる」
「うん、ホントにごめんなさい」

様子が見られない分、必要以上に心配になってしまうこと・・
何となく切なく思いながらも、彼女が回復したことは素直に嬉しい。


「そういえば・・ この前のメッセージ
 気が付いてくれたんだよね?」

(過去記事:『メッセージ』 ご参照)

「各行の先頭の文字を、縦に読むやつね」
「そうそう」
「甘すぎ!」
「・・・次はもっと難しいのにする!」
「元気なときにしな」
「うん、そうする」

「奏・・」
「ここにいるよ」
「ありがとう」
「うん」

テーマ:不倫 - ジャンル:恋愛


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